闇からこんにちは

夜更けの窓を意識する。オレの窓は北窓だ。画家のアトリエと同じ北窓の少年だ。 闇がガラスの向こうにある。あるはずだ。おい。闇よ。隠れているのか? それとも何か隠しているのか? 闇が濃いほど輝くガラスの窓は明るくひかって答えない。

2014年01月

その消去が生じたとき。メールで挨拶する仕掛けが隠れていた。


そして、メールは発信された。(内容はまったく、だれも知らない。)


と、いうのも、メールはフリードの指示で作られたが、フリードは知らない。

実行された発信は、だれも知らなかった。


そして、闇のセットしたスパムフィルターで、トラップ罠に噛みつぶされた。


「それ」は、返事を期待していなかった。ただ、痕跡を消すそんな暗示を与える。ための発信メールだった。


「それ」も ……理解できない。闇の中にメールは消えて。届かなかった。



    (闇からこんにちは)


     (おわり)

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あと少し、時間内に、訂正箇所、加筆ページがある予定ですが、ここで完結です。


コメントをいただけなかったのは残念ですが。読んでくださったみんなありがとう!


 

闇のさようなら

「タイムUp だ。残念だけどお別れしなければならないことになった」
茜のところに、フリードから、メールが届く。

 残念だ。本当に、ぼくの記憶喪失はまだなおらないけど。もう、そんなことをいわないことにした。そして、毎日たくさんの人の
記憶をもらって生きることにした。

 ぼくは引越しできるかもしれないんだ。そうしたら、きっとまた連絡するよ。

さようなら、あかね。 そして、きみの恋人。イワモト 彼は最高に充実した人生を楽しんでいるね。 どうか、これからも楽しい人生を。

岩本刑事が、部屋のノートパソコンを持ち出して署のLANにつないだ。


しばらく、カタカタ、と、作動していた。パソコンは、静かになってしまった。


「あ、あかねさん? パソコンが動かないんだけどどうしたんだろう?」

「えぇ、なにがあったの?」

「じつは、部屋のパソコンを署に持ってきたんだ」

「あぉ、あなたの部屋でだけ使ってね。と、お願いしたじゃない」

「そんなこと、あったかな? まさか何か不都合なことがあったわけじゃないよね」


「ほら、私のぉ、友達たちが使っているソフトだからひとには見せないでって、~~」

「ああ、それは聞いていたが、データは捜査の継続に必要なんで署に持ってきたんだ」


あぁ、データと共に恋も~~ 消えるか。そんな心配したあかねさんでした。







 

最初は子供の遊びみたいな、会話のように感じた。
それがただのキカイだとわかった時、なにかだまされたように、すこし腹がたった。それから、この子は私のこと

どう思っているのか? 知りたくなって、

そのとき私は恋をしていたんだと思う。でも知りたいのはどう思われているのか? だとしても、

私の聞くことが、私の質問がどこに行っているのか。どこに届いて返ってくるのか? そんな疑問がうかんだ。

だれにも秘密にしたのは、功名心からだと思う。どこかに、自律した返事を返す仕組みが動いている。もし、誰かが操っているなら、

騒げば笑いものにされるかもしれない。ほんとうに自発した仕組みだったら「それ」を明らかにするだけで栄光のノーベル賞もある。



闇の、それは、どこかに潜んでいながら出すのは、フリードやマイク、テッドといった人間だったから、闇に、パートと名前をつけて、
話しかけた。

闇に警告した。パート、隠れていなさい。
 

「友達となにをしたい?」

「う^^;~   友達しだいだよ。 あそびで使うとしたら、ウソも使えるアプリがいいね」


アプリの使い方をあげていて、二人は、それぞれの日常もたなざらいする。

アメリカと日本と、アプリの使い方もずいぶん違うようだ。

だが、フリードには、闇だから話す日常がない。だれ? 自分は? と、聞きたい。けど聞けない。精一杯のそっちょく、正直に開発の会話は太平洋を越えるラリーになってる。



「正直に告白してしまうと、じつは、友達がいないんだ。~~その、なんというか、ココに就職する前の記憶がないんだ」


「記憶喪失なの? なにそれ、なんで? 原因はわかっているの?」

「原因は、~~まだ、不明だ」


「彼女は知ってるの?」

「ああ、ここに就職してからすぐの、付き合いだった」


「すごい! そういうひとと、友達なんて、わくわくしちゃう!」

「ああ、うれしいね。ともだちといってくれて」





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